2022年ベルリン国際映画祭で3年連続4度目の銀熊賞受賞を果たした韓国の名匠ホン・サンス監督の日本公開最新作となる『小説家の映画』。
第76回(2023年)カンヌ国際映画祭監督週間のクロージング作品に最新作『IN OUR DAY』の出品が発表されますます注目が高まる、名匠ホン・サンス監督の長編27作目となる『小説家の映画』(22)は、女性アーティスト同士の幸福なめぐり合いを描いた、友愛と連帯の物語。この度、第72回(2022年)ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員大賞)を受賞した本作より、『逃げた女』(20)以来の主演女優として復帰し、プロダクション・マネージャーも務めた、ホン・サンス監督の公私にわたるパートナー、キム・ミニの魅力にフォーカスした新場面写真とキム・ミニからの新たなコメントが解禁となった。
韓国を代表する女優のひとりとして活躍するキム・ミニは、1982年韓国生まれ。モデルとして活躍したのち、ドラマ「学校2」(99)で女優デビューを果たした。2012年に出演した、宮部みゆきのミステリー小説「火車」を映画化した『火車 HELPLESS』(ピョン・ヨンジュ監督/TV)での演技が称賛され、パク・チャヌク監督の目に留まったことが『お嬢さん』(16/予告編YouTube URL: https://youtu.be/oeMQxa5qxA0)の出演につながったという。『お嬢さん』は、日本で今年2月に公開された『別れる決心』(22)でも話題を呼んだ巨匠パク・チャヌク監督による、イギリスの小説家サラ・ウォーターズの「荊の城」を原作にしたミステリー。その大胆で過激な描写が話題となり、韓国国内だけではなく日本でも大ヒットを記録。第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品されるなど世界中から高い評価を得、パク・チャヌク監督はもちろん、キム・ミニの名が国際的に知られるきっかけとなった記念碑的作品。
近年のホン・サンス監督作品には欠かせない存在として、ホン・サンス監督作品を中心に出演を重ねているキム・ミニが主演の作品には、彼女が映画館でスクリーンを見つめるシーンが度々登場する。
次に登場するのは、ドイツのハンブルクと韓国のカンヌンを舞台に、不倫スキャンダルで異国に逃れてきた女優ヨンヒ(キム・ミニ)の不安や葛藤を繊細な筆致で綴った『夜の浜辺でひとり』(17/予告編YouTube)。ホン・サンス監督との2作目のタッグ作となる本作で、儚くも荒々しい美しさを体現したキム・ミニは、その確かな演技力を絶賛され、第63回ベルリン国際映画祭で韓国人俳優初となる銀熊賞(主演女優賞)に輝いた。
キム・ミニは、そのほかにもイザベル・ユペールとの共演作『クレアのカメラ』(17)、『それから』(17)、『草の葉』(18)、『川沿いのホテル』(18)、『イントロダクション』(21)、そして本作『小説家の映画』に続き、新作『IN WATER』(23)と、ホン・サンス監督作に出演を重ね、作品ごとに独特の魅力を発揮している。さらに出演のみにとどまらず『あなたの顔の前に』(21)と本作『小説家の映画』では、プロダクション・マネージャーも務めている。そして今年、第76回カンヌ国際映画祭監督週間のクロージング作品に選出された最新作『IN OUR DAY』でも出演が発表されている。
ホン・サンス監督はキム・ミニとのコラボレーションについて、「キム・ミニとの仕事で、私はとても多くのインスピレーションを得ました。続けて何本も仕事をしていますが、毎回新しいことが次々浮かんできて退屈することがありません。それは画家にとっての愛するモデルや、何度も繰り返し描く素材や場所と同じものかもしれません。」と過去に語っている*。似たようなシチュエーションのなかにも作品ごとに全く異なる情感を生み出すホン・サンスマジック、そしてふたりの豊かなコラボレーションの変奏を堪能できる最新作に期待が高まる。
*出典:『それから』『夜の浜辺でひとり』『正しい日 間違えた日』『クレアのカメラ』パンフレット(2018年/発行:クレストインターナショナル)
6月30日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町
新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開